目次
はじめに
- このパンフレットは初めて赤ちゃんを育てる(育児をする)ご両親を対象に作成されています。
- とくに、男性が読んで分かりやすいようにマニュアル作成したつもりですが、発達の部分は文字で書くだけでは理解できないと思います。動画を入れたかったのですが、著作権の問題も有り、文字が多くなっています。
- 一旦子供が生まれてしまうと母親はろくに睡眠も取れず育児に追われてしまいます。そうなったときにゆっくり育児書を読む暇などありません。ですが子供が生まれる前は、非常に暇な時期があるはずですので、その時期にこの内容を暗記しておきしょう。
- 育児書は1冊や2冊読むだけでは、そのとおりに育ってくれないと、かえって混乱してしまうことがあります。この本は10冊程度の育児書と小児科、児童精神科の考えをまとめたエッセンスのようなものです。走り読み出来るように、大事なところは太字にしてありますので、忙しいお父さんお母さんは太字だけ読んでもらってもだいたい理解できるように作ったつもりです。が、付録の部分は全部読むとかなり詳しすぎますが・・・
- 2004年頃、学校でのいじめ問題が大きくとりだたされていました。これは子供たちの社会性の欠如と日々の不快発散の表れだと感じています。育児について考えていると、就学前の育児とこれらの問題との共通点について気づく事もあります。
- 2004年、まだ私が岸和田徳洲会の新生児集中治療室(NICU)部長として働いていた頃、乳幼児虐待~殺害で両親が逮捕されるという報道が相次いで報告されていました。
その理由に『子供が泣き止まないので、ついカッとなってやってしまった』という共通のものが多く見受けられました。
最初は、それは後付けの理由に過ぎないだろうと軽く考えていましたが、NICU退院後の両親と仲良くなるにつれ、泣きやまない子供に感情的になって、つい、子供を布団に放り投げたなどという話を親から聞く機会があり、
『子供がなぜ泣くのか、どうすれば泣き止むのか』
について、具体的に教えてくれる人や機会が少ない事に問題があると感じはじめました。
育児書でもテレビでも、具体的な泣き止ませ方を教える事もせず、ただ、『赤ちゃんは泣くのが当たりまえ、泣くのが仕事。なぜ泣いているかわから無いという事は良くある事』などという言葉で、耐えるのが当然といった、突き放すようなアドバイスを平気でしている。そういう時代でした。
このマニュアルは、そんな時代に、NICUを卒業した御両親にお渡しする物として最初に作成されました。 - 子育てを一度経験した人から見れば、この育児書に書かれている内容は感覚的にわかる事ばかりです。
しかし、自分の子供だけを育てた経験しかない人は、初めて育児をする人に対して、その家族の個性を加味して、適切に指導できるかというと、そううまくは行きません。また、多くの正常児しか見たことがない養育指導者にとって、正常からやや逸脱した子供の対応方法については、できないその子がおかしいと、突き放すばかりの対応も時に見受けられます。
本育児書は最新の脳科学の知見を加味し、子供の個性や発達に応じた対応が体系的にできるように考えて作っているつもりです。
- あなたたちは、未来の日本を作る『人』を育てようとしています。あなたたちは、日本の未来を左右する人たちです。育児で疲れたり、不満を感じたら、声を上げてください。悲鳴を上げてください。我慢しないでください。それを手助けする義務は日本社会にあるはずです。ひとりで悩まないでください。堂々と訴えてください。
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