外出と旅行
2015-03-17 (火) 13:47:43更新
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日本では古くから生後1ヶ月を過ぎた時点で、お宮参りという風習があります。
そのことから生後1ヶ月を過ぎれば外の空気に触れさせて良いだろうと考えられています
最初は窓を開けて新鮮な空気に触れたり、抱っこしてベランダに出たりしてみてください。慣れてきたら、近所を一回りしてくるなど良いでしょう。
近距離なら、外出可能となった時点で旅行は可能ですが、哺乳回数の多さや手間隙を考えると、長距離旅行は、『離乳が完了した1歳を過ぎた頃から、1泊程度から』が良いでしょう。赤ちゃんの体調が悪い時や、予防接種の前後は避けましょう。
スケジュールには余裕を持ち、赤ちゃんの生活リズムを崩さない様にしましょう。
では、小さい子供をつれて外出をする時に、いったいどんな問題点があるというのでしょうか?
子供を持ったことがない人には想像がつかないと思います。
旅行時問題点
- 急病時のスケジュール中止の勇気
まず、無理をしないということです。こどもは、明日から旅行という当日になって発熱してきたりします。そんな時、無理をして旅行せず、キャンセルする決断力と勇気が必要です。 - 目的地の救急医療の事情を知っておく
無論もしもの対策です。田舎では夜間病院が無い地域は沢山あります。 - 子供中心の余裕をもったスケジュールで
- 自動車であればなるべく休憩をとりながら移動する
- 子供をあきさせないような本やおもちゃなどの準備
自動車内ならば、どんなおもちゃだろうが、DVDだろうが自由ですが、列車や飛行機となりますと、音のなるおもちゃは車掌さんに注意されてしまう場合があります。(そこの管理者が誰に(大人?こども?)重きをおいているか?ということですが) - 混雑をなるべく避ける
- 衣服の調節
- 子供にあった食事や飲み物の準備・補給
- 子供の生活リズム(お風呂の時間や入眠時間、食事の時間)を崩さない。
- お風呂【温泉の泉質(眼にしみるetc)、温度、共同風呂での排便の可能性】
- (海外転勤の付添などの場合)現地の風土病についての知識
トラベルクリニックなどで、現地の風土病やワクチン、邦人が利用する病院施設について事前に相談しておきましょう。
移動手段
おんぶ・だっこ
『おんぶ』は頚定がしっかりした3~4ヶ月以降から
抱っこホルダー:
前抱きは、子供の状態観察が出来やすく良いが、階段などの場合足元が見えないので注意が必要(特に雨や雪の時に注意)
後ろ抱きは振り向きざまの頭部打撲に注意
自転車
- ハンドル設置型:坐位が安定する10ヶ月あたりから。
- 後方設置型:十分歩行が出来て、意思が伝達できる2歳過ぎから6歳未満まで
※ちなみに、1台の自転車に2人以上子供を乗せて走る行為は、道路交通法違反とされていましたが、国民からの抗議が多く、2009/7/1から「幼児2人同乗基準適合車」の記載がある自転車のみ子供2人を乗せる事が許可されました。
- ヘルメット着用:自転車対自動車事故では、母親が肋骨骨折程度の軽症でも、子供は頭部打撲による即死というケースが多々あります。ぜひ着用を!
車
チャイルドシート
遠出の場合は数時間毎に休憩を取り、気分転換させてやる
車内温度に注意
短時間でも車内に乳幼児を放置しない←虐待と断定されます。
電車・バス
母乳を与えたり、オムツを替える場所などは、新幹線にはあります(1つくらいしかない)が、他の列車は無いことが多いです。どうしても必要な場合は車掌さんにお願いして、車掌室を利用するしかありません。
電車・バス内ではベビーカーを禁止している場合が多い
飛行機
日本航空の医師が書いた、「飛行機旅行に適さない状態」によりますと下記の如くとなります。
- 心臓の病気
- 心不全
- 不安定狭心症
- 急性心筋梗塞(発症6週以内)
- 重症不整脈術後の病状不安定期
- 呼吸器の病気
- 呼吸不全
- 慢性閉塞性肺疾患
- 気管支喘息
- 肺の拡張が完全でない気胸
- そのほかの症状
- 繰り返す喀血
- 脳卒中急性期(発症4週以内)
- 脳の検査などで中枢神経系に空気が残存する場合
- 頭蓋内圧上昇を来す頭部疾患
- 重症貧血
- 吐血、下血、出血の危険のある消化器疾患(胃潰瘍・十二指腸潰瘍急性期)、腸閉塞
- 重症中耳炎
- 創部が充分に治癒していない場合(頭部、胸部、腹部手術など)
- 出産予定日より28日以内にある妊婦
- 生後7日以前の新生児
- 病状が安定していない精神神経科疾患、アルコール中毒、そのほかの中毒
- 減圧症(潜水病)急性期
- 無治療のDVT(深静脈血栓症)
- 5類感染症のうち他者に伝染するおそれのある感染症
- 学校保健安全法で出席の停止が定められている感染症で出席停止期間の基準を過ぎていない場合
- 詳しくは、「 学校保健安全法による感染症と出席停止期間の基準」をご覧ください。
- 排菌している結核
生後7日以降は法的に?問題ないと考えますが、里帰り分娩で仕方なく飛行機に乗るのは良いとして、旅行などに出かけるのは、いつから赤ちゃんに負担がないのか?については、医学的な根拠は今のところ無いようです。
ふつうの社会常識と合わせて考えると、『元気な赤ちゃんは生後3ヶ月を過ぎれば飛行機に乗せても良い』という考えは一般的です。これは、3ヶ月を越えると首が安定してきて丈夫そうに見えてくるからを考えられます。
しかし、飛行機が上昇するとき、体の空気が膨張します。もともと人の体の中には胃や腸の中のガス以外に、耳の中(鼓膜の内側)にも空気が入っています。元気な子のおなかのガスは膨れてもあまり心配ありませんが、耳の中の空気が膨れると、鼓膜を圧してしまい、痛みが生じます。このとき、飲み込む動作をすると鼓膜の内側と鼻をつなぐ耳管が開き、膨れた空気を逃がして痛みを和らげることが出来ます。
次に、飛んでいる飛行機の気圧に慣れた耳の中の空気は、着陸する時、今度は小さくなってしまうので、鼓膜がへこんでしまいます。この時も再度飲み込む動作で耳管をひろげ、外の空気を中耳の中に入り込ませ、外の気圧と同じになるようにしてあげてください。
「赤ちゃんが飛行機に乗る時には、飛行機が上がり始めたときと下り始めた時に不機嫌になれば、おしゃぶり、ミルク、白湯などを与えて下さい。」
※上手く出来ない場合は、スチュワーデスさんを呼びましょう。
※また、欧米のように長期旅行用に睡眠薬(抗ヒスタミン剤)を処方することの良し悪しは不明ですが、よほどの事情がある場合は処方する場合もありますが・・・・。(自費になります)