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こどもの事故

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こどもの事故


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 2004年頃から各自治体(各地域保健センター)が、こどもの事故予防に関する注意と地域住民に対する講義を行うようになってきたため、比較的以前より認知度が上がってきていますが、おさらいとしてこどもの事故について説明するとともに、有用なリンクを示したいと思います。

目次

こどもの事故はそんなに多いの?

 1960年以降、0才をのぞいた小児の死因の第1位は不慮の事故となっています。しかも、事故で死亡に至るのはごく一部で、死亡事故1件に対して、病院を受診した事故は4500件、病院に行かず家庭で治療した事故は10万件にのぼるといわれています。

 別のデータでは、2人に1人は3歳までに事故で病院にかかったり、電話で相談したことがあるといわれています。現在、こどもの健康上の最大の問題は事故なのです。
事故当時の子供の年齢

 このグラフは石川県健康推進課HPで配布されている事故の年齢別頻度です。多くは1歳という歩きだして間もない時期に発生し、殆どは転倒、打撲事故です。これらの事故の多くはリビングで起きます。家庭内で最も危険な場所はリビング(居間)です
この表から考えると、子供の事故は6歳くらいまで注意が必要と思われます。

 3歳未満の事故は軽症が多く、発生してから病院に運ばれても助かるケースが多いですが、3歳を超えてきて年齢が大きくなると、交通事故や、廃材置き場で遊んでいて下敷きになったり、ため池で溺れたり、長いものを咥えていて転倒して喉や脳に突き刺さったり、回転ドアやエスカレーターに挟まれ・・・などの、一撃必殺の事故が増えてきます。

 また3歳を越えてきますと、行動範囲が広く、親の監視が行き届かなくなります。しかし、4歳を越えたこどもは前頭葉が発達し自制が効く様になってきますので、3歳までは親が注意して事故予防を行い、3歳を越えてきたら、危険について教育し、危険に近づかないためのしつけによって予防する事が必要ではないかと考えます。

事故は不注意から起きるの?

 こどもの事故は「不注意やちょっとした油断から起きるの?」と考えがちです。

たしかに、明らかな親の不注意で起きることもありますが、「注意する」、「気をつける」、「目を離さない」だけでは事故は防げません。

 実際問題として、365日、24時間、こども達から目を離さないということはできません。

 ほんのちょっと目を離した隙に、あるいは大人が見ている目の前でも、事故は起きます。(私の経験では、4歳のこどもに金属製のハサミを使わせておばあちゃんと一緒に折り紙を切っていたところ、おばあちゃんの目の前で自分の指先を切り落としてしまいました。つまり、横で見ていても事故は起きるということです。この場合、4歳児に金属製の良く切れるタイプのはさみを使用させたという事に問題があるわけです。)

事故予防対策で必要なのは、ちょっと目を離した隙に、こどもたちが思いもかけぬ行動をしても、事故にならない、あるいは、事故が起きても被害が最小限になるような「具体的な」対策です。

具体的な事故予防対策

 今すぐにでも予防対策を考える必要がある事故は、誤飲、転落・転倒、溺水、やけど、交通事故といったところです。これらは、起きると障害の程度が重くなりやすい事故、あるいは頻度の高い事故です。
具体的な事故予防対策を簡潔にまとめます。もっと詳しくお知りになりたい方は、最後に示すリンクをご覧下さい。

誤飲

 下図に「チャイルドマウス」というものがあります。一部の地方では母子手帳に印刷されています。これは、こども(乳幼児)の口の大きさの目安になるものです。この中を通るものはこどもの口の中に入るということです。これより小さいもの(通常直径3.9cm以下のもの)は、床より1m以上、上に置くようにします。

 確かめる方法として、以下のチャイルドマウスがありますが、一般的に家庭で使用されているトイレットペーパーの芯の直径がほぼ4cmですので、これに入るものは、すべて危ないと考えて良いかと思います。

チャイルドマウス

※このチャイルドマウスは印刷しても実物大に印刷されるとはかぎりませんので、作る場合は『つくってみようチャイルドマウス』をダウンロードして作成してください。

1歳未満のハチミツ投与は厳禁

 昔は、育児書に酸っぱく書かれていましたが、最近、あまり言われなくなってきたためか、今回、死亡例がでました。これも事故と言えます。1さい未満にハチミツを食べさせると、乳児ボツリヌス症を発症し、便秘~傾眠傾向、稀に死亡することがあります。また、黒砂糖も同様の理由で避けるよう指導している自治体もあります。

転落・転倒

 乳幼児は、平衡感覚の発達が十分でなく、頭が大きくて重心が高く、視野が狭くて足元に注意がいきにくく(下図の「チャイルドビジョン」をお試しください)、足の運びも稚拙でつまづきやすい特徴があります。だから、乳幼児が生活する場にはなるべく物を置かないようにします。

 床に細々した日用品を置かない(もちろん誤飲を防ぐためにも)、電気のコードなども部屋の隅にきっちり固定する、カーペットなどを敷く場合には全面に敷く、など。

 また、転んだときに家具の角などで打ったりする衝撃を和らげるためにクッション材でカバーしたり、割れたガラスで怪我をしないようにガラスにフィルムを貼るなどの対策が考えられます。

 ベランダなどには、踏み台となるような箱や物を置かないようにします。

 箸などを口にくわえたまま転倒すると重大な事故になりますので、口に物をくわえて歩かない、走らないという教育も必要です。

チャイルドビジョン

※このチャイルドビジョンは印刷しても実物大に印刷されるとはかぎりませんので、作る場合は『本田技研提供 チャイルドビジョン』をダウンロードして作成してください。

溺水

  • 溺水
     乳幼児にとって、一番危険な場所は家庭の風呂場です。こどもが浴槽でおぼれないためには、まず「残し湯をしない」ことが第一。次に、浴室に鍵をつけてこどもが1人で浴室に出入りできないようにすることです。その他にも手段はありますが、上のふたつは今すぐにでも実行できます。

火傷

  • 火傷
     熱いものを入れる器は、底の広いひっくりかえりにくいものにする、こどもの手の届くテーブルの端に、熱いものを入れた器を置かない、などが考えられます。配膳中に汁物をこぼしてやけどをするケースも多いので、熱いものを運んでいる人にはまとわりつかないよう声をかけることも大切です。ポットはこどもの手の届かないところに。ストーブなど暖房器具にはガードをつけて熱い部分に手が届かないように工夫します。

交通事故

  • 頭部打撲
     交通事故死で最も多いのは自動車乗車中の事故です。今、親がこどもにしてあげられることは安全運転とチャイルドシートの着用です。どんなに近距離でもきちんとチャイルドシートに座らせること、これが最も大切です。
    また、自転車乗車中の転倒による頭部打撲も注意が必要です。子供用ヘルメットの着用をお勧めします。

 こどもを事故から守るためには手抜きをしないことが大切です。「ほんのちょっとの間だから」と、こどもを膝の上に抱いて車に乗ったり、自動車の中にひとりにしたり、幼児を家に残して買い物に出かけたり、浴室に残して電話に出たり、薬やタバコを置きっぱなしにしたり、ソファや柵のないベッドの上に寝かしたまま離れたり、ドアを開けっ放しにしたり、・・・。ちょっと目を離したすきに、どんなことが起きうるのか想像してみてください。
 ひとつひとつはほんのちょっとした手間です。その手間を惜しまずに、ひとつひとつ安全を確認してから次のことに取り掛かる。「後でするから」は無しです。

事故予防リンク

  1. 石川県健康推進課(子どもの事故予防情報)
    1. 子どもの成長別事故の種類
    2. 絵で見る家の中の安全点検
    3. こどもの事故解説スライド集
  2. 日本小児科学会injury alert
  3. 子どもの事故予防データベース

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