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水痘ワクチン

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水痘(みずぼうそう)ワクチン


どんな病気?

水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる感染力がたいへん強い病気です。感染力指数としてしられる、再生産数では、インフルエンザが2に対して、水痘は15で、インフルエンザの約7倍の感染力があります。隔離したとしても、同一家族内で感染する可能性は、90%と言われています。

 多くの場合それほど重くなりませんが、無視できない数の子どもが重症になり、毎年10名以上が死亡していると考えられています。麻しん(はしか)と同様に空気感染もあり、どこで感染するかわかりません。
米国では定期接種で2回受けますが、日本では任意接種で接種費用が自己負担のため接種率が40%と低く、毎年100万人くらいがかかっています。

みずぼうそうは生後すぐにかかることがありますが、とくに多いのは生後6か月から4歳頃です。保育園でかかることも多く、そうなると保護者が仕事を一定期間休む必要も出ます。

症状や経過

ふつう2~3週間の潜伏期の後に、熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになって、全身に広がります。強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。ただし、熱が出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。

一度罹患したら、二度と罹患しないの?

約1~3%の人は再感染します。特に、1歳未満で軽い水痘に罹患した場合はかなりの確率で再感染が見られたり、帯状疱疹を発生しやすいため、予防接種を1回おすすめしています。

重症になると?

軽いと思われるみずぼうそうですが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が知られています。日本でも、約3,000人が重症化し、10人以上が毎年みずぼうそうで死亡しています。特に重症になりやすいのは、1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人などですが、健康な子どもや大人も重症になるのが問題です。

予防は?

みずぼうそう(水痘)ワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防します。1歳すぐで1回、1回目の接種後3か月たったら2回目を接種するのがおすすめです。

  • 1回接種だけでは、約半数が、罹患してしまいますが、症状は軽くなります。
  • 2回接種をすることで、95%以上の確率で感染しなくなります。

ワクチンをしないで罹患した場合のデメリットは?

重篤な合併症を伴わなかったとしても、デメリットとしては、以下のものがあります。

  1. 約7日間罹患した子どもは、一般的な外出が出来ません。
    1. 登園、登校ができません。
    2. 運動会、発表会、お祭りなどに参加できません。
  2. 赤ちゃんに感染させると、重篤化する場合があります。
  3. もちろん、罹患した子供の看病のため、御両親のどちらかは7日間仕事を休まなければなりません

 親が看病のために、日曜日を除いて、6日間仕事を休むと考えた場合、最低賃金時給690円で計算した場合でも、(8時間×5日+3時間*1日)*690=実に、29670円もの労働力の損害が発生します。

みずぼうそうと帯状疱疹

みずぼうそうと帯状疱疹は、共に水痘・帯状疱疹ウイルスが原因でおこります。みずぼうそうはこのウイルスにはじめて感染したときにおこる病気の姿です。一方、帯状疱疹はみずぼうそうにかかったことのある人の免疫力が下がったときにおこる病気の姿です。一般的には大人、高齢者の病気です。とりわけ、帯状疱疹後におこる神経痛は激しいことも多く、その人は一生苦しむことになってしまいます。

 みずぼうそうにかかって体中で増えたウイルスは、みずぼうそうが治っても体内から消えてしまうのではありません。息を潜めるように、その人の神経細胞の中で静かに生き続けています。そして、その人の免疫力が下がった時に、知覚神経(痛みを感じる神経)を傷つけながら伝わって、再び皮膚に出る(すなわち、帯状疱疹を起こす)タイミングを、今か今かと狙っているのです。

 ワクチンに含まれるウイルスも基本的には同様に神経細胞の中に潜みますが、もともと弱毒株であるため、野生株ほど悪さをしないため、帯状疱疹になり難いと考えられています。

 今では帯状疱疹そのものや、後の神経痛を少しでも軽くするために、みずぼうそうにかかったことのある高齢者に対しても、米国でも、日本でもこのワクチンが使われるようになってきているのです。このことを是非ご家族に伝えてください。
(※アメリカで接種されている帯状疱疹用ワクチンの効果は、50から59歳の年齢層においては、帯状疱疹用の強化水痘ワクチンの1回接種によって、帯状疱疹の発症が70%抑制され、60から69歳では64%、70歳以上では38%の抑制が認められ、その効果は約8年持続するそうですが、国産ワクチンもほぼ同じ組成であるため、同様と考えられています。)

 繰り返しますが、みずぼうそうは重い病気ではないように思われていますが、多くの合併症があり、死亡者から重症者まで意外に多くいるのです。そのため米国では2回の義務接種になっているくらいです。ぜひワクチンを接種してください。(強毒野生株に先に侵入される前に、ワクチンで弱毒株を入れておく方がメリットが高いと思います。)

再発性帯状疱疹の予防ワクチン

水痘ワクチンは、水痘の予防だけでなく、成人において、帯状疱疹の再発が頻回に起こる場合や、老人における帯状疱疹の予防効果があります。その予防効果は、50%程度ですので、再発で困っている場合は、接種してみる価値はあります。

定期接種になる対象者

2014年10月1日から以下の方は定期接種(無料)となります。

  1. 1歳~3歳【生後12月から生後36月に至るまでの間にある者】は2回
    ※過去に水痘に罹患した事がある者や、平成26年10月1日より前に3か月以上の間隔をおいて2回接種した者は対象外。

標準接種方法

 1歳以降(生後12月~生後15月に至るまでに)に初回接種を行い、追加接種は初回接種終了後、最低3か月以上間隔を開けて、3歳までに1回行う。

※接種間隔が3か月未満は、定期接種対象外(有料)になります。
※接種間隔が12か月以上は、定期接種対象内(無料)です。
※2回目が3歳を越えている場合は、定期接種対象外(有料)になります。
※1歳未満の接種は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の補償対象外です。(2017/3/17現在)

※経過措置の対象者

  1. 平成26年度に限り、生後36月(3歳)に至った日の翌日から生後60月(5歳)に至るまでの間にある者は1回だけ定期接種
  2. ただし、平成26年10月1日より前に1回でも当該注射を受けた者や、既に罹患した者については対象外

※定期接種対象外の年齢だからといって、1回接種で終了した場合の予防効果は50%程度ですので、2回接種推奨はかわりません。

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