麻疹風疹混合ワクチン (MRワクチン)
麻しんは、2013年に和歌山で流行しました。
また、2016年8月に関西空港で起こった輸入麻疹の集団感染事件以降、厚労省は、麻疹ワクチン接種を海外旅行時の必須ワクチンとしました。
今までのパターンですと5~10年に1回、国内で流行が見られていました。今後は海外からの流入が予想され、空港周辺で突発的に発生してくる可能性があります。
流行が発生すると、流通在庫が減少し、すぐに接種できなくなりますので、忘れずに定期接種で2回接種しておきましょう。
成人の方も、海外旅行など、機会があれば、麻しん抗体価の検査を受けて、不足していれば接種しておきましょう。
採用ワクチン
阪大微生物研究所のミールビックを採用しています。
弱められた、生きたウイルスが入っている、生ワクチンです。
年齢にかかわらず、1回につき0.5mlを皮下に注射します。
注射されたワクチン株は、被接種者の体内で増殖し、免疫されます。
1回接種で95%の方が免疫され、2回接種すれば98%近くまでの方が免疫されます。麻しん流行地は、短期間で2回接種し、数年開けて3回目を接種します。
先進国では数年あけて2回接種します。
日本では数年あけて2回接種するプロトコルが採用されています。
短期間で2回接種しても98%までの方しか免疫されませんし、2回接種しても免疫ができなかった人は3回目を接種しても免疫ができない体質である可能性が高いため、通常2回接種歴がある方は、3回目の接種を求められることが少ないです。
そうしますと、人口の2%程度は、ワクチンを接種しているにもかかわらず、麻しんに対して免疫がない人たちですので、その人たちの麻しん罹患を予防するためにも、人口の94%以上の人がこのワクチンを接種して免疫を持つことで、国内流行を阻止する必要があります。
接種時期と接種回数
定期接種としての接種方法
公費による定期接種としての接種方法には以下のパターンがあります。
- 第1期:1歳代で1回接種できます。
- 第2期:小学校入学の前年(幼稚園や保育園の年長クラス)1年間に1回接種します。
注)万一、この1年間に接種しなかった場合は定期接種の扱いとならず、接種費用も自己負担となりますのでできるだけ早く(遅くとも夏休み前までに)2回目を受けることが大切です。
任意接種としての接種方法
自費による任意接種には、主に以下のようなパターンがあります。
- 地域で流行しているときは、自費で生後6か月からでも受けられますが、この場合、1歳以降にもう一度接種しなおさないと、すぐに獲得免疫が低下していきます。
- 1歳未満の接種は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の補償対象内です。
- 成人に接種する場合
女性の場合に限り、接種後2か月間の避妊が必要です。
ただし、もし接種後に妊娠が発覚したとしても、ワクチンによって奇形児が発生したという実例は無いため、中絶する必要はありません。