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BCG

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日本の結核罹患者数


先進国の中では多い方でしたが、最近やっと低下してきています。でもまだ多い。
(しかし、韓国や中国やシンガポールは日本の5倍と、もっと多いです。)

2021年の結核罹患率(人口10万対)は9.2であり、前年と比べ0.9減少し、結核低まん延国となりました。
日本の結核罹患率は、米国等他の先進国の水準に年々近づき、近隣アジア諸国に比べても低い水準にあります。
2021年の結核罹患率の減少については、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられます。
10万人あたりの罹患者数が5以下の低蔓延国となり、かつ、5年間の小児結核性髄膜炎患者数が人口1000人あたり1人以下にならないと、BCGを中止した場合、状況が悪化すると考えられています。

さらに和歌山の結核罹患者数は!?

1999年、和歌山県の結核罹患者数はワースト3に入っていましたが、2020年 は、ワースト14まで低下しています。

BCGとは

20世紀初頭、フランスのパスツール研究所の研究者であったアルベール・カルメット(Albert Calmette)とカミーユ・ゲラン(Camille Guérin)が、ウシ型結核菌の強毒株の一つであるNocard株を特殊な培地で継代培養して作製された弱毒株を使用し、日本独特の特殊な9つの針が付いた器具で皮内接種します。

本来は、定期接種で、2013年3月までは、和歌山市においては、各保健所で集団接種しています。2014年度からは、各医院で個別接種できるようになる予定です。
尚、当院は2013年11月から定期接種として、院内で接種開始しております。

BCGの効果

  1. 乳幼児に接種した場合の効果は、74%, つまり、接種することにより、結核発病のリスクは約1/4になります。(つまり、結核に罹らなくなるというワクチンではありません。)
  2. 結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核の予防効果が非常に高い事が証明されています。
  3. 1975年、新生児期への接種を中止したスウェーデンでは、その後の5年間の0〜4歳の結核罹患率が6倍に増加したという事実があります。
  4. また、BCG接種をしていない米国と比較すると、全年齢では日本の結核罹患者数は米国の5倍ですが、0〜14歳においてだけは、米国の半分に抑えられていることから、日本の子供達は、米国と比べ何倍も結核の感染を受けていながら、BCGのおかげで発病を免れていると考えられています。 いずれにしても、現在の日本のBCG接種計画は、小児期の結核を世界有数の低水準に抑えていると考えられ、これを廃止すると子供の結核罹患者数が今の4倍に増えると考えられています。

※ただし、BCG接種の効果の持続は10〜15年と言われており、高校生の頃にはもう効果は期待できません。また、成人に接種した場合の効果も、報告によってさまざまであるため、コンセンサスが得られていません。

BCGワクチン

接種時期

定期接種としてのBCGは、生後1歳までに1回。乳幼児の結核は結核菌に感染すると、極めて発病する率が高く、血液に結核菌が流れて全身に結核菌がばら撒かれる「粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)」や髄膜炎になりやすいため、それらを予防する必要があります。

4ヶ月以下で接種すると、BCG結核疹や、骨炎などの副反応が出やすく、また、遅く接種しすぎると、結核に罹患してしまうため、5~8ヶ月での接種が理想です。

接種方法

粉になっているBCGを溶解液で溶かし、白く濁った液を上腕に落とし、拡げます。その後、9つの針が付いた管針というものを強く押しつけ、針跡にBCGを植えつけるように帽子のツバのようなもので再び拡げます。紫外線を避けて自然に乾燥するまで待ちます。30分もすれば乾くでしょう。その後は、衣服を着せてください。
一般的に入浴は発熱などがなければ、構いません。

※接種後は、すぐに服を着せないで、自然乾燥させることが大事です。

接種部位の正常な変化

BCG接種部位は接種後、接種跡が目立たなくなったあと、10日後くらいから、赤くなってきて、4週程度で、化膿します。正常な反応なので、心配要りません。

接種後状態
0日接種部位の発赤があります。
7日通常、発赤は一旦消失します。
(消失しない人もいます。)
この日までに接種部位が化膿する
場合は医師に連絡ください。
10日消えかけていた発赤が再び増強
してきます。
21~28日やや化膿してきます。
42日局所反応がピークに達します。

その後、発赤と化膿は消失し、瘢痕が残ります。

接種部位の異常な変化

コッホ現象 (接種後10日以内に接種部位が化膿する)

結核菌に既に感染している患者にBCG接種を行うと、接種後10日以内に、接種部位が化膿します。(正常人の接種後21~28日に相当する化膿反応が、接種後10日以内に認められます。)
これは、以前に感染していたために、既に免疫があるため、その反応が早期に出現する事から起こります。

  • 1万人に1人程度に見られる稀な反応です。
  • 局所の反応は、通常よりも早期(接種後数日以内)に強く起こります。
  • コッホ現象は接種後2~3日で出現することが多く、その数日後に反応は、もっとも強くなり、その後徐々に消退します。
  • コッホ現象が見られたときは、結核感染のための検査を行う必要がありますので、早めに来院ください。(出来る限り、接種後12~13日以内)

稀な副反応

1:遷延する局所の潰瘍性変化

接種後6ヶ月経過しても治癒しない反応。時にはいったん瘢痕化した後、潰瘍化することもあります。抗生剤の内服や軟膏で治癒します。

2:腋窩リンパ節腫大

 通常は、接種後の1~2ヶ月頃に接種した側の腋窩リンパ節の腫大が0.7%くらいの頻度で見られますが、大部分は放置しても数ヵ月後には自然治癒します。極稀に腫大したリンパ節が化膿することもあります。

3:ケロイド

全身的な副反応

極稀に発生します。

1:皮膚結核様病変

経過観察で改善する事が多いです。

2:全身性BCG感染症

先天性免疫不全症候群の方に接種した場合におこります。

薬物治療が必要です。

3:骨炎、骨膜炎、骨髄炎

薬物治療が必要です。

4:その他、ショックなど

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