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2016/8/17あたりに、インドネシアあたりから持ち込まれた外来性麻疹ウイルスの感染者が日本で増加し、関西空港でウイルスをばらまいた可能性が高くなっています。
潜伏期は10-14日で、そろそろ発症してくる予定です。
当院に来院する予定の、以下の症状の方は、まずは、電話でご相談いただくか、車で待機して、電話するなどして、直接待合室に入らないようにお願いします。また、来院時はマスク着用でお願いいたします。
麻疹(はしか)感染が疑わしい方
- 罹患暦やワクチン歴にかかわらず、発熱と発疹が同時に存在している。
- 麻疹(はしか)の人と接触して10日目くらいから咳と鼻汁が出てきた
- 10日~2週間前くらいに関西空港に立ち寄って、現在咳と鼻汁が出てきた
受診方法
いきなり待合室に入らないでください
- 徒歩の方は、来院前に電話連絡(073-422-1458)を(別入口にご案内します)
- 車の方は、車で待機して、電話連絡を
- 来院時はマスク着用で(無い場合は当院で販売いたします。)
2回ワクチンしていたら、罹患しませんか?
修飾麻疹という、不明熱様の症状の方も含めると、効果は8割程度と思っておくべきでしょう。右図のとおり、濃厚接触でも耐えられるPA抗体価256倍以上の比率は、75~85%の方たちですので、関西国際空港でのスタッフ感染者数からも、妥当な数字だと思われます。
特に、1回接種しかしていない1歳~6歳までのお子様の、予防効果は8割も無い可能性を考慮しておく必要があります。身内で感染者が発生した場合は、前回の麻疹ワクチンから1か月以上間隔をあけて、自費で2回目接種をお勧めします。
抗体価が低い年齢層は現在の22歳以上の方々で,罹患者数も20歳~35歳に集中しています。おそらく、働き盛りの年齢だから感染機会が多いということなのでしょう。40歳以上も接触すれば、同様に罹患すると考えておくべきです。
2年前の風疹騒ぎで、風疹ワクチン接種時に、麻疹風疹混合ワクチンを接種していない方は、注意です。
また、風疹と麻疹は別物ですので、妊娠時に抗体が十分という方は、基本風疹抗体価十分の意味です。
現在の年齢 | 定期接種 | 接種率 (和歌山市) |
---|---|---|
44歳≦ | なし | |
27-43歳 | 1回 | |
22-26歳 | 2回 | 70-80% |
17-21歳 | 2回 | 85-90% |
6-16歳 | 2回 | 90%以上 |
1-5歳 | 1回 | 90%以上 |
昔、罹患していたら大丈夫ですか?
いいえ、かかりにくいとはいえ、再感染の報告がありますので、絶対の安心はできません。
流行地は極力避けてください。
1歳未満で接種できますか?
10か月以上であれば、(海外では6ヶ月以上)医学的には、予防接種可能ですが、母親からの移行抗体がある場合は、効果が減弱します。また、1歳未満で接種した場合は、1歳を超えてから、再度接種しなければ、効果が持続しません。
※)生後6ヶ月で接種した場合、感染防御レベルまで抗体が上昇する子供は36%しかないそうです。9-10ヶ月を過ぎると、100%近くまで上昇するそうです。
一般的に1歳未満の子供に麻疹ワクチンを接種する適応は、麻疹のアウトブレイクが発生した場合とされており、アウトブレイクのWHO定義では、麻疹疑い患者が人口10万人あたり5人発生した場合を「アウトブレイクの疑い」とし、確定患者数が3人以上発生した場合を「アウトブレイク」と定義していますので、人口886.3万人の大阪府では265人以上発生した場合に相当します。
1歳未満の子供を守るためにも、御両親や祖父母の方々の、麻疹風疹ワクチン接種をお勧めします。(なお、流行が大きくなりますと、ワクチン不足が毎度のことながら発生しますので、接種できなくなる可能性が高くなってきます。行動はお早めに)
患者と接触後のワクチン接種は?
麻疹患者と接触後72時間以内のワクチン接種は予防効果があるといわれていますが、間に合わない事の方が多いようです。
血液製剤(γグロブリン)の投与の方が効果は高いです。
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