小児科、小山博史です。
今月は診療報酬改定と消費税増税を控え、コンピュータ関連の更新が著しく、頭が痛いです。
トーマス君の操縦桿は逝ってしまいましたが、接着剤でつぎはぎしてみました。しかし、これも1ヵ月で破壊されそうな雰囲気です。
さて、
インフルエンザAの流行はBの流行に変化し、減少傾向を見せてきています。
現在流行中の感染症は
- 感染性胃腸炎(ノロ、ロタウイルス関連)
小児嘔吐に関しては、漢方坐薬で対応することが多いです。ノロとロタっぽい症状で多少坐薬の種類を変更しています。 - 気道系感染症
- ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
- RSウイルス
- ライノウイルス(HRV)
- パラインフルエンザウイルス(HPIV)
- C型インフルエンザ
※このうち診断キットで検査可能なものはi)とii)です。
なお、hMPVは、今年から6歳未満に保険が適応されます。
気道系感染症のそれぞれの特徴は以下に示しますが、いずれも、特効薬はなく、初期は対症療法のみです。
これらの感染症初期では、当院では、飲めれば漢方で対応する事が多いです。
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
このウイルスは、インフルエンザA型とRSウイルスの症状を足して割った様な症状をもたらします。
小児における症状としては、発熱によるしんどさは中等度で、インフルエンザほどしんどくないが、他の感染症ほど、楽ではない。目は軽度充血し、半開きの目になりつつも、遊ぶ余力は持っている。みたいな感じです。
潜伏期は4-6(5.7)日
6か月~3歳くらいが罹患しやすく、(11歳でも感染はあります)咳が出てから翌日に39度程度の発熱(6歳以降は37度程度の熱)が出現、その後鼻汁がでてきます。
(ただし、アレルギー性鼻炎があるときは、咳と鼻汁が同時に出現)
発熱3日目から乳児では喘鳴が出現し、熱が5-7日続く場合に入院となるケースが多い
(あくまで、入院しても特効薬はないので、寝て治す感じです。)
5日程度でウイルスは減少するので、5日以降の熱に対しては抗生剤の投与で改善する例が多いので、前半は抗生剤を使わず、後半に抗生剤を使う場合があります。
A型とB型(1型と2型とも言う)の二種類が存在しますので、2回は感染します。ほとんどは小学校入学前までに罹患終了してしまいます。成人にはかかりにくいですが、罹った場合は、通常熱はなく、痛みのない喉のイガイガとしつこい乾いた咳、軽度の鼻汁を呈します。老人には感染し、問題を起こしたりしています。
RSウイルス
潜伏期は4-6(5.7)日
新生児~3か月までの児が罹患すると30%が入院となる。
鼻汁→咳→発熱(50%程度)→喘鳴というパターンで進行します。
発生後4日以内が急激な悪化を認める場合があり、特に、家庭内喫煙がある家庭は重症化しやすいとされています。
年長児~成人が感染した場合は、咽頭の上の方(アデノイド)が嚥下時に痛くなり、その後キツメの鼻閉を伴い、人によって酷い咳を認めます。(年長児では熱は稀です。)
2種類存在し、抗体は長持ちしないので、1年くらいしたらまた同じウイルスに再感染することもあります。
ライノウイルス(HRV)
イキナリ膿性鼻汁が出てから咳と発熱がでてきます。
発熱は38.5度程度が2日程度。
ABCの三種類があり、Cが高熱を出す。
透明な鼻汁から膿性鼻汁に変わるのがふつうですが、このウイルスに罹患した場合は、いきなり膿性鼻汁から開始します。ので、いきなり膿性鼻汁から始まる蓄膿には、初期には抗生剤は不要とされるのは、このウイルスによるものです。
パラインフルエンザウイルス(HPIV)
潜伏期は1-7日
1-4型まで存在します。
このうち、1型と2型は子供にクループといわれる、犬の鳴き声のような咳をもたらします。酷い場合は、夜間に窒息を引き起こします。のどがひっくり返ったような咳をする場合もこのウイルスが疑われます。小児の場合、発熱(比較的高い熱)から始まり、咳と鼻汁(30%)を伴ってきます。成人の場合は、熱のない、しつこい咳です。
C型インフルエンザ
通常のインフルエンザと同様、熱から始まり、咳がでてきます。通常のインフルエンザよりやや軽い症状で、発熱は2日程度です。インフルエンザ抗原検査では検出できません。
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