突然の電話
昨日、製薬会社の方から突然の電話があり、以下の内容でした。
『北里第一三共製三種混合ワクチンの新しいLot製品で、注射針を取り付ける部分の内径が小さくなっており、ワクチンを接種中に、針が外れかけて、内溶液が漏れる可能性が指摘され、厚労省から、販売停止の指示が来た。』
夕方5時頃、忙しい時間帯に突然の電話であわてました。
ワクチン液は、無問題
今回の製造停止の措置は、ワクチンの入った注射器の先っぽの内径がやや小さく、注射針を差し込んでも、抜けやすいというもので、これって、かなり前からそうだったんですが、ここにきて、突然販売停止という行政の厳しい措置については、なんか、きな臭さも感じます。まあ、微妙な仕様変更があったのも事実らしいですが。
スクエアキッズまでもが販売延期
効果の高いソーク株入り不活化ポリオワクチンの入った新4種混合ワクチン(スクエアキッズ)が、同じタイプの注射器を使用しているため、販売が延期となってしまいました。
三種混合ワクチンの販売を続けるのは北里第一三共だけ
国産4種混合ワクチンが発売され、それにシフトしていく過程で、三種混合ワクチンの製造中止がすすみ、不活化ポリオワクチン単独製剤(イモバックスポリオ)だけでは、ワクチンスケジュールを満たす事が出来なくなってきており、北里第一三共製剤のみが製造続行してくれていたおかげで今まで旨くいっていました。しかし、今回、北里第一三共のシリンジ製剤に販売停止の措置が行われることにより、今まで三種混合ワクチン+単独不活化ポリオワクチンで接種出来た人が、出来なくなります。
なぜ三種混合ワクチンにこだわるか
詳しくは過去記事を参照ください。基本は、ソーク株不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ)にこだわる場合の不具合があります。
一番困る人は?
そもそも、外国産ソーク株ポリオワクチンと国産セービン株ポリオワクチンとは、互換性において、問題ないとされていますし、当院で途中までソーク株接種していた人が、途中からセービンになったとしても、もともとセービンだけで接種している人よりは、抗体価は高くなるはずです。
もっとも困るのは、ポリオワクチン接種終了した人が三種混合の4回目を接種しようとすると、出来ない事態がでてきます。
これに関しては今後行政が何らかの対応を考える予定だそうです。が、現行の代替品トリビック(田辺三菱製)は試用期限が2015年2月までですので、そういった困る人は、それまでに接種完了する必要があります。
当院ではどうするか
幸、三種混合ワクチンの在庫がある程度ありますので、当院で接種中の方はなんとかなりそうですが、新規接種開始の方につきましては、代替品がないため、国産新4種混合ワクチン(セービン株不活化ポリオワクチン入り)を使用します。
しかし、注射液が悪いわけではないので、突然販売停止させるのではなく、針先が抜けないようにテーピングしてから接種するなりの、代替方法を提案してほしかったものです。
追伸
某ワクチン関連ML情報によると、他社製品(期限切れ間近)を先に自治体経由で各医院に注文させて、それが枯渇したら、結局現在の第一三共のものを配る方針になるんだそうです。医師が指定すれば、従来どおり、現在の第一三共製も提供されるそうです。
じゃあ、なんのために出荷停止にしたの?単なる外資苛め?
やっぱり、行政に嫌われると損するよという戒め… (;゚Д゚)ガクブル
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