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Q:新肺炎球菌ワクチンの補助的追加接種、やった方が良い? – 生馬医院お知らせブログ – 和歌山市 の小児科 生馬(いこま)医院|小児科 ・ 内科 ・ 循環器科 ・ アレルギー 科 呼吸器科なら 和歌山市 の 生馬医院

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小児科 小山博史です。

 最近、この話題たまに患者様から聞くことがあります。スマホのワクチンスケジュールソフトからお勧めが上がるそうです。この点、コンピュータは気兼ねなく表示だせますから良いですね。人間の場合、自費接種だと、気兼ねして言いにくいですから。


 2013年11月から肺炎球菌ワクチン(PCV:プレベナー)は、7種類(PCV7:プレベナー7)から13種類の菌種に対応したPCV13:プレベナー13に生まれ変わりました。

 これは、7種類の菌に対して効果的であったのが、発売後、一旦肺炎球菌髄膜炎が低下したとおもったら、対応していない残り6種類による感染症が急に増えてきて、元の数に戻りそうになったからというのがきっかけです。

 当院のHP(小児用肺炎球菌ワクチン)で解説しているとおり、肺炎球菌による侵襲性感染症の頻度は5歳までが被害を受ける方が多いので、

 よって、問題となるのは、現時点でPCV7だけで接種を終了した5歳未満の子供にPCV13を接種しなくても良いのか?という所です。

目次

A:いや、やった方が良いですよ。でも有料なんです。

 いや、した方が良いんです。アメリカだって、重要だから無料接種にしているわけです。

 でも、和歌山市は今の所無料じゃないので、接種料金と被害を受ける危険性の中で天秤にかけるしかありません。(ちなみに、田辺市は無料で接種できるそうです。)

やらないと、どれくらい危険なの?

最近鹿児島スタディという、7年間の鹿児島県における小児侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の疫学研究結果が発表されました。

PCV7の効果と肺炎球菌たちの逆襲

PCV7で一旦減少した肺炎球菌感染症が再び増加した

 図のように、2010年にPCV7が開始されてから侵襲性感染症の頻度は階段状に下がっていきました….が、欧米と同様、PCV7未対応型が2013年に急激に増加しました。



PCV13の登場(イマココ)

PCV13で再び肺炎球菌感染症が減少した。

 そこで、欧米同様PCV13にして、6種類に追加対応したら、また減ったという事です。病原性の問題となる肺炎球菌は残り10種類あるので、また残りの未対応株が問題になってくるかもしれませんが、今の所、これが世界標準であります。



PCV7で3回接種終了した人(1.5歳~4歳)が侵襲性感染症に罹患する確率

残念ながら正確な確率を示したものはありません。
鹿児島スタディでは、全小児侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)のうち、35%がこの年齢群に属すると言われておりまして、この数字は無視できないという事で、公費助成を訴えております。

生馬医院としてのお勧め

 特に感冒罹患後に蓄膿や中耳炎を繰り返す5歳未満児はお勧めしています。

 肺炎球菌はヒブと違い、高熱がでるので発見はしやすいという事と、(最近抗生剤使用料が減って耐性菌が減ってきており)抗生剤が良く聞くという事で、PCV7接種終了者が5歳になるまでの3.5年間(2017年6月頃まで)を抗生剤で守るという事もできなくはないですが、このあたり、悩ましいところであります。
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