和歌山市 (JR和歌山駅近く)にある小児科 ・ 内科 医院,小児科 専門医、臨床内科専門医がそれぞれ担当, 循環器 ・ 呼吸器 ・ アレルギー , 発達障害 ( ADHD ), トラベルクリニックにも対応

ワールドカップ(ブラジル)応援と関連する予防医学

ワールドカップ(ブラジル)応援と関連する予防医学

黄熱病危険地帯とサッカー競技場

今年のワールドカップ(ブラジル開催)の応援に渡航する予定のサポーター達に向けて、厚労省のワクチンキャンペーンが活発になってきています。







基本的なワクチンとして

ワクチン名短期1ヵ月以上長期
B型肝炎
A型肝炎
腸チフス
黄熱病
狂犬病
ワクチン名短期1ヵ月以上長期
B型肝炎
A型肝炎
腸チフス
黄熱病
狂犬病
破傷風

※厚労省推奨とアメリカCDC推奨と若干違うのはなぜ?

  1. 腸チフスワクチンは、日本以外の先進国では、認可されていますが、日本ではまだ認可されていないため、厚労省は推奨していません。ただし、世界的には常識的ワクチンですし、日本人のかたも、長期渡航者は接種しています。理論的に食中毒予防のワクチンですので、A型肝炎を接種するような人は接種して当然ですし、腸チフスワクチンを接種しないのなら、A型肝炎ワクチンも接種不要とする考えもあります。
  2. 破傷風ワクチンについては、アメリカはルーチンワクチンとなっているため、わざわざ指摘しませんが、日本は、そもそも、抗体陰性者が多いため、提示しているようです。

 というものがありますが、滞在期間が1~2週であれば、熱の通ったものだけ口にして、ジュースや氷も含め生ものは、缶・瓶に入っているもの以外口にしないというのなら、接種せずとも良いものが多いですが、蚊などの虫によって媒介される感染症には注意が必要です。

 特にブラジルは黄熱病危険地帯ですし、各競技場の多くが、その危険地帯に存在しているからです。

黄熱病

特にプッシュしているのが、黄熱病です。
黄熱病は、死亡率30~50%と高い、ネッタイシマ蚊によって媒介されるウイルス感染症で、南米やアフリカでみられます。ワクチンによりほぼ100%予防できます。ワクチン接種出来る施設は、限られており、当院などの一般病院では接種できません。関西では、関西空港検疫所で接種できます。接種出来る曜日は水曜日に限定されており、仕事を休んで接種に行く必要があります。よって、短期間に接種希望者が集中すると接種できなくなりますので、早い段階で接種予約しておくことをお勧めします

黄熱病ワクチンは生ワクチンであり、接種出来ない人は.....

  1. 9か月齢未満の乳児
  2. 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
  3. 明らかな発熱を呈している者
  4. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  5. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  6. 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

等が添付文書に記載されていますが、このほか、これらのワクチンには、卵白成分、ゼラチン成分が入っていますので、卵アレルギーや、ゼラチンアレルギーの方は接種できません
※プレドニンでは20mg/day未満は接種可能とも言われています。

 内部情報によりますと、アメリカCDCの現在の考えでは、

  1. ワールドカップ観戦+アマゾン旅行:黄熱ワクチン接種は必須
  2. 試合観戦のみの弾丸ツアー:必要ない
  3. 試合開催地で黄熱患者発生あるいは感染蚊検出:接種を推薦

と、だれか感染者が出てくるまでは、積極的接種は推奨していないようです。これは、黄熱病のワクチンにやや重篤な物が含まれるためです。

黄熱病ワクチンの副反応

  1. 黄熱病ワクチン関連内臓疾患(YEL-AVD)
    Yellow fever vaccine associated viscerotropic disease
    1.  黄熱病ワクチン初回接種の2~5日後に発症する発熱性疾患であり,高熱・筋肉痛・関節痛・肝炎・血小板減少・播種性血管内凝固症候群(DIC)・リンパ球減少・横紋筋融解・低血圧・乏尿といった多臓器不全へと至る疾患で、弱毒化した黄熱病ウイルスが、体内で旨く退治されずに、引き起こされる疾患です。被接種者の免疫力が低下しているために引き起こされるので、年齢が高くなるほど発生しやすくなり、65~ 74歳では10万回あたり3.5回の確率ですが、75歳以上で
      は10万回あたり9.1回と3倍になります。したがって、黄熱病ワクチンのリスクと利益を考えて旅行プランを慎重に吟味することは、高齢旅行者においては特に重要です。
  2. アナフィラキシーショック
    1. 13万5000人に1人
  3. 脳脊髄膜炎、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、球麻痺等の神経系障害 (Neurotropic disease)
    1. 10万回接種に0.4~0.8例程度

 とはいえ、接種可能施設が少ない日本では、患者が発生したから、皆一斉に接種となっても、物理的に不可能ですので、開催地が危険地帯の場合は、接種しておいた方が良いかとも思います。

その他の感染症

デング熱

 ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されウイルス性感染症で、ブラジルのほぼ全土で報告されています。サンパウロで過去3か月で6人ペースくらいで重症感染症の報告があります。

マラリア

ハマダラカによって媒介される感染症で、今回の開催競技場では、マナウスだけが危険地帯のため、予防内服推奨となっています。

シャーガス病(稀)

 サシガメによって媒介される、クルーズ・トリパノゾーマという原虫による感染症です。2013年9月に日赤の献血で得られた日本人の血液から感染が分かったという事で、ニュースにもなりました。感染しても15年ほどは無症状のため、注意が必要です。サシガメ駆除作戦のため、直接の被害は改善されましたが、アサイーなどの農作物に付着した原虫を生ジュースとして摂食することによる感染があり、サトウキビや、アサイージュースなどの、現地農産物の生ものを避けるようにしましょう

リーシュマニア症

サシチョウバエという小さなハエに刺されることによって感染します。夕方~夜にかけて、活動するハエです。小さなハエで自ら飛べず、風に乗って移動するため、地上から2階以上は刺されにくいとされています。

オンコセルカ症(極稀)

 ブユ(Black Fly)に刺されることによって感染するフィラリア症です。河川周辺にいますが、ブラジルではかなり北に行かないと被害にあう事はないので、今回のサッカー観戦とは無関係という事で良いでしょう。

以上が、ブラジルにみられる風土病のメインとなります。シャーガス病以外は、Deet製剤(虫よけ)が有効です。マラリア以外は、昼間に人を刺してくるので、昼間の虫よけが重要です。Deet製剤は、10%以上の濃度がなければ、効果に乏しく、国内ではムヒ虫よけがもっとも高濃度で、12%です。しかし、有効時間は4時間程度ですので、4時間毎の塗布が必要になりますし、10%以上の濃度の物は、刺激臭と皮膚刺激が強いため、喘息の方や、お子様の使用には注意が必要です。当院を含め、お近くのトラベルクリニックで扱っている、アメリカ3M社製のDeet製剤は皮膚刺激も少なく、効果も12時間と便利です。
 詳しくはお近くのトラベルクリニックにご相談ください。

リンク

a:3002 t:1 y:1

コメント


認証コード0441

コメントは管理者の承認後に表示されます。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional