和歌山市 (JR和歌山駅近く)にある小児科 ・ 内科 医院,小児科 専門医、臨床内科専門医がそれぞれ担当, 循環器 ・ 呼吸器 ・ アレルギー , 発達障害 ( ADHD ), トラベルクリニックにも対応

麻疹

麻疹(はしか)

原因

麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性疾患。日本では「麻しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としている。

感染経路

空気感染・飛沫感染・接触感染と多彩で、一人の罹患者が何人に伝染させるかという再生産数Ro=15と驚異的で、一旦発生すると、人為的収束は非常に困難である。

※Ro=15は1人で15人に感染させるという意味。
(インフルエンザは2~3で、SARSは6程度です。)

症状

麻疹の病期

 感染して約10日の潜伏期後に、まず熱と鼻水、せき、目やになどかぜと似た症状が出ます。2、3日で熱はいったん下がり気味になり、発疹の出る少し前頃に、口の中に「コプリック斑」と呼ばれる麻しん特有の白いブツブツがみられます。

画像の説明

 再び発熱(高熱)し、発疹が出はじめます。発疹は、耳の後ろ、首の周り、顔から出はじめ、全身に広がり、解熱するころから薄くなり褐色の色素沈着を残すが次第に消えていきます。2度目の熱は3~4日続きます。

 高熱はTotalで7~10日間くらい続きます。ふつうのかぜの熱とはまったく違うので、その間はたいへんつらいものです。熱が下がっても、3日経つまでは登園、登校ができません。麻しんは、年齢にかかわらず重症になることがあります。特に妊娠中は大きな問題になります。

合併症

発症者の約30%が合併症を併発し、約40%が入院を必要としている。発熱時に不適切に解熱剤などを投与した場合、細菌による二次感染の危険性が高まる。また、合併症は以下のように区分される。

脳・神経系の合併症

  • 亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis、略称:SSPE)
    • この病気は麻疹に感染後7~10年してから知能障害や運動障害が発症し、ゆっくりと進行する予後不良の脳炎である。
    • 発症初期は、ADHDや自閉症などの軽度発達障害者と同じ振る舞いをする所から始まる。
    • 麻疹に罹患した人の数万人に一人が発症するといわれている。まれに予防接種でも発症することがある。
       

ウイルス性脳炎

  • 1000人に1人くらいの割合で発症。熱発の程度と脳炎の発症率に相関はない。発症すると1/6が死亡、1/3に神経系の障害が残るとされる。

咽頭~気道系の合併症

  • 麻疹ウイルスによるもの(中耳炎、ウイルス性肺炎(間質性肺炎)、細気管支炎、仮性クループ)
  • 細菌の二次感染によるもの(中耳炎、細菌性肺炎、気管支炎、結核の悪化)

その他

  • 心筋炎
  • ワクチン未接種の女性が妊娠中に麻疹にかかると子宮収縮による流産を起こすことがある。妊娠初期での感染では31%が流産し、妊娠中期以降でも9%が流産または死産、24%は早産との報告がある。(なお、胎児奇形の発生は少ない。)
  • 下痢
  • 口内炎
  • カンジダ症

流行

 日本では、最近まで予防ワクチンの接種率が低かったため、先進国のなかでも毎年小流行がつづいていました。最近は、やや減ってきている傾向があります。

流行には季節性があり、初春から初夏にかけて患者発生がなぜか多い。日本での患者数は推計で年間20万人程度とされ、患者報告数を年齢別に比較すると、2歳以下が約半数を占め1歳代が最も多い。次に6~11か月、2歳の順となる 。小児以外の患者数は地域によるバラツキがあり、ワクチンによる抗体価の低下した10歳代から20歳代前半が最も多く、次いで、20歳代後半の順である。
麻疹には、症状の出現する順序や症状の続く期間に個人差が少ないという特徴がある。ただし、免疫のある患者では、非典型的で軽症な経過をとることがある(修飾麻疹)。ワクチン接種歴により軽く済むといわれる。
母体からの免疫移行があり、生後9カ月頃までは移行免疫により発症が抑えられる。なお、抗体価が低下している女性が妊娠し、胎児が十分な抗体を持たず生まれ、生後5カ月以内で免疫が切れてしまうケースが報告されている。

予防接種

歴史

1988年から定期接種が開始された麻疹・流行性耳下腺炎・風疹混合ワクチン(新三種混合ワクチン、MMRワクチン)は、ムンプスワクチン(占部株)を原因とする無菌性髄膜炎の発症率が想定以上に高かった為、1993年に接種を中止しました。
(このムンプスワクチンについて、後に、日本のMMRワクチン接種による無菌性髄膜炎の直接的な原因は、占部株自体ではなく、届け出ていない培養法で作ったワクチン原液を阪大微生物研究所が意図的に混入させたためといわれています。

その後、MMRワクチンからムンプスワクチンを除いたMRワクチンが2005年6月に認可されました。実際の接種は2006年4月からであり、併せて改正された予防接種法により第1期(満1歳~2歳未満)、第2期(就学前の1年間)の2回接種法にて定期接種とされています。

それでも、流行が収まらず、麻疹などが発生していないアメリカ(ハワイ)への旅行者が、旅行中に発症し、問題視され、"日本は先進国で唯一の麻疹ウイルス輸出国"とレッテルを張られた為、2008年4月1日~2013年3月31日まで、当時の中学校1年生、高校3年生に対して、3期、4期として2回目の接種を時限的に定期接種化しました。

その甲斐あって、2015/3/27、日本は世界保健機構(WHO)から麻疹について、土着株が存在しない「排除状態」にあると認定されました。

今後は、海外で感染した人間が日本国内でばらまく、輸入感染が問題となってくる予定です。

インドネシアからの輸入例

2016/8/14頃から関西国際空港にて麻疹の集団感染が発生しています。

麻疹ワクチンの現状

MR(麻しん風しん混合)ワクチン(定期接種・生ワクチン)で予防します。ワクチンを接種しておけば、かかったとしても重症になることはまずありません。定期接種では1歳と小学校入学前に2回受けます。ただし、地域で大流行している時は生後6か月からの接種ができますので、かかりつけ医と相談してください。

大人でもかかるので、保護者の方がワクチンを受けていないときには必ずワクチン接種を受けてください。2回目の接種を受けていないようでしたら、ぜひ2回目を受けてください。たいへん強いアレルギー体質の人は、事前にかかりつけ医に相談してください。
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