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成人用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌とは

肺炎球菌は免疫のはたらきが十分でない、乳幼児や高齢者に様々な病気を引き起こします。肺炎球菌によって起こる主な病気には、肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症などがあります。本来であれば菌が検出されない場所(血液や脳脊髄液など)から菌が検出される病態(髄膜炎、菌血症など)を特に侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼びます。侵襲性肺炎球菌感染症は5歳以下の乳幼児と65歳以上の高齢者に多く発症することが知られています。また、細菌による感染症はペニシリンなどの抗生物質により治療しますが、近年は抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えているため、治療が困難になっているという問題があります。そこで、ワクチンにより、病気をあらかじめ予防することが以前にも増して大切になってきています。現在、肺炎球菌感染症を予防するワクチンとしては、2歳以上で肺炎球菌疾患にかかるリスクが高い人および高齢者を対象とした23価肺炎球菌多糖体ワクチンと、6歳未満(アメリカでは9歳以下)の小児を対象とした13価肺炎球菌結合型ワクチンの2つが発売されています。

肺炎球菌で迷惑な病気を起こす頻度は?

  • 侵襲性肺炎球菌感染症の年齢別頻度(判明している範囲内)は下記のグラフとなります。低年齢と高齢者が主なターゲットとなります。
    侵襲性肺炎球菌感染症の頻度

23価肺炎球菌多糖体ワクチン

(PPSV23:ニューモバックスNP)

ニューモバックスNP

このワクチンは1回の接種で肺炎球菌の23種類の型に対して免疫をつけることができます。現在90種類以上の肺炎球菌の型が報告されていますが、この23種類の型で成人の肺炎球菌による感染症の80%以上がカバーできます。しかし、免疫が未熟な乳幼児では、多糖体を有効成分としたこのワクチンでは必要な免疫反応を引き起こすことができません。

接種対象者は、2歳以上で肺炎球菌による重い疾患にかかる危険が高い次のような人です。個人差がありますが、1回の接種で5年以上の効果が期待できます。

※対応莢膜抗原(1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F、33F)

初回接種適当者

・65歳以上の高齢者
65歳未満でも以下の方は接種推奨されています。

  1. (保険適用あり)2歳以上の脾臓の摘出手術を受けた人
  2. (保険適用なし)2歳以上で、鎌状赤血球疾患、その他脾臓機能不全である人、心疾患・呼吸器疾患の慢性疾患、腎不全、ネフローゼ症候群、肝機能障害、糖尿病、アルコール中毒者、人工内耳患者、慢性髄液漏等の基礎疾患がある人、免疫抑制の治療を予定されている人(治療まで14日以上余裕のある人)、解剖学的・機能的無脾症候群(sickle cell diseaseなどの、ヘモグロビン異常症、先天性無脾症候群または、脾臓機能異常症)、免疫低下症(AIDS、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、免疫抑制剤治療中患者、放射線治療中の患者、白血病患者、悪性腫瘍患者、悪性リンパ腫、臓器移植患者、先天性免疫不全症

小児用13価肺炎球菌ワクチン(PCV13:プレベナー13)を小児期に接種した(免疫低下状態の)方は、2歳以上の年齢に達してから(できれば、5歳を超えてから)、最終の小児用13価肺炎球菌ワクチン(PCV13:プレベナー13)から8週以上間隔をあけて成人用23価肺炎球菌ワクチンを追加接種する事が勧められています。(尚、65歳未満での成人用23価肺炎球菌ワクチン接種は5年以上の間隔をあけて2回までです。それ以上は接種すべきではありません。)

定期接種該当者

 本ワクチンは、2014年10月1日から以下の方々に対しては定期接種(自己負担3000円、生活保護世帯は無料)となりました。

  1. 65歳の者(過去に同ワクチンを接種した事がない方だけ)
  2. 60歳以上65歳未満の者であって、心臓、腎臓又は呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有する者及び人免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する者

※経過措置で接種可能な方(ややこしい)

  1. 平成26年3月31日において100歳以上の者及び同年4月1日から平成27年3月31日までの間に65歳、70歳、75歳、80歳、90歳、95歳、100歳となる者
  2. 平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間、65歳、70歳、75歳、80歳、90歳、95歳又は100歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までにある者

追加接種適当者

※)追加接種は定期接種にはなりません。自費接種となります。

・19歳~64歳までの慢性腎不全やネフローゼ症候群、機能性又は解剖学的無脾症候群(sickle cell病や、摘脾患者など)、免疫不全状態の病をもった方で、初回接種から5年以上経過している方
・65歳未満で、接種した方で、5年以上経過している方

通常、65歳以降で接種した健常な方は、追加接種の必要はありません。

 なお、日本では、初回接種から5年以上経過した肺炎球菌による重い疾患にかかる危険性が極めて高い方やワクチンによる抗体濃度が急激に低下する可能性のある方は、再接種の対象者となっています。ただし、1回目に注射した後、5年以内に再接種をした場合は、注射した部分が硬くなる、痛む、赤くなるなどの症状が強く出ることがあるので、再接種の際は必要性を考慮し十分な間隔を空けるなど注意が必要です。

【副反応】
接種後に注射部位の腫れや、痛み、赤みなどがみられることがあります。また発熱や筋肉痛などがみられることもあります。これらの反応は通常3日以内に自然に消失します。

13価肺炎球菌結合型ワクチン

(PCV13:プレベナー13)

PCV13:プレベナー13

 このワクチンは1回の接種で肺炎球菌の13種類の型に対して免疫をつけることができます。

 先に述べたニューモバックスよりも、対応抗原は少ないのですが、免疫持続効果が長く、10年以上続くと考えられており、再接種の必要がありません。

 このため、アメリカ Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)では、65歳以上の高齢者に対しては、最初にこのワクチンを接種しておいて、8週以上経過したあとに、ニューモバックスNP(PPSV23)を接種する事を推奨しています。ただし、本ワクチンは、自費接種です。

※対応莢膜抗原(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、33F)

接種適当者

・65歳以上の高齢者
(今の所、日本では、6歳以上~65歳未満には適応が取れていません。アメリカでは接種していますが。)
※追加接種の必要はありません。

  • 通常、ACIPの推奨では、65歳以降の方は、最初にPCV13接種後、6~12か月以上経過してからPPSV23を接種し、その後は5年以上あけてPPSV23再接種が述べられていますが、自費接種です。
  • ACIPが推奨する、先にPPSV23を接種してしまっている65歳以上の方の接種方法はコチラとなっています。

PCV13とPPSV23との接種間隔と適応者

ACIPでは、こちらのリンクに、細かく設定されています。心疾患においては、6歳~65歳はPPSV23を1回接種していれば、強いて2回目は接種不要となっています。

なお、日本のプレベナー13は、今のところ、6歳~64歳は、添付文書上適応外となっており、補償のない、自己責任接種となります。
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